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誓海寺
かほく市内日角 真宗大谷派 醒井山誓海寺  

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報恩講によせて
報恩講によせて

曇鸞(どんらん)という中国の高僧がいました。「正信偈」に出てくる七高僧のひとりとしても登場します。
『浄土論註』という書物を著したことでも知られています。
この書物のなかに、「蟪蛄(けいこ)の譬(たと)え」という有名な言葉が出てきます。
「蟪蛄」とは、「ツクツクボウシ」のことです。その一節を、現代語訳風に書きますと、

「ツクツクボウシは春と秋を知らない。
どうして、夏を知っていようか。」

と、なります。

ツクツクボウシは、セミの一種です。夏に成虫になって、夏に死んでしまう。十日ほどの短い命です。春と秋を知らないのは当然ですね。
しかし、セミは実は夏も知らないのだ、と曇鸞は説きます。
ここがとても興味深いところです。
一見すると、セミは夏の申し子、夏についてのすべてを知っているかのように思いがちです。
しかし、夏に生まれて夏に死ぬセミは、実は夏がどういうことかを知るはずもないのだ、と言います。

なるほど、その通りです。

春が来て、夏が来て、秋が来て、と四季の移り変わりを知るからこそ、夏がどれだけ暑いか、どれだけ日が長いか、夏とはどういう季節かを知るのです。
この例え話が有名なのは、これが人間の本質を突いているからです。
どうですか。あなたにも心当たりありませんか。
自分のことは自分が一番分かっていると思っていませんか。そして、自分が一番正しいと思っていませんか。
他人が自分のことを分かるはずがないと思っていませんか。
しかし、それが間違いだと、この話は教えてくれます。自分が一番当てにならないということがたくさんあります。
私自身も、自分では正しいと思っていても、そうではなかったということがあります。そのたびに、この話を思い出します。
 
今年の報恩講は最終日(満座・十月二十三日)が日曜日です。例年なら布教使をお招きするところですが、若い世代の方にも来ていただけたらという思いから、特別講演という名目で講師をお招きします。

講師は、ミキハウス社員の坂本達氏です。

会社員でありながら、有給休暇を取って自転車で、世界一周を成し遂げました。その期間は、四年三か月という長さです。
パリで幼少期を過ごした坂本氏は、フランスで買ったお気に入りのズボンを穿いて日本の小学校に入りました。すると、同級生からは、「そのズボン、変なの!」と言われました。
自分ではカッコいいと思っているズボンをけなされた坂本氏が家に帰って泣いていると、父親が世界地図を広げて、坂本氏に言いました。

「世界は広い。世界にはそのズボンをほめてくれる人がかならずいる」

これが世界一周の夢を持つきっかけになったそうです。「蟪蛄の譬え」の話にちょっと似ていませんか?

実は、私は学生時代に彼に会ったことがあります。私の親友が、彼と同級生だったのです。一度だけ彼のご自宅にお伺いすることがありました。きっと、彼は覚えてないでしょうが。

【お知らせ】
現在、誓海寺の本堂改築の経緯をまとめた記念誌を編纂中です。お楽しみに。

平成二十八年十月
誓海寺住職 醒井秀和
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